急性上気道炎(咳の風邪)・急性咽頭炎(のどの風邪)
- 風邪と言われる病気は実はこれです(症状・鑑別)
- 鼻汁、鼻閉を主症状とした上気道のウィルス感染症です。原因であるウィルスは頻度が多い順に、ライノウィルス、インフルエンザウィルス、コロナウィルス、RSウィルス、パラインフルエンザウィルス、アデノウィルス、エコーウィルス、コクサッキーウィルスが挙げられます。
頭痛、筋肉痛、発熱等の全身症状はないか、あっても軽症です。風邪は感染性鼻炎と呼ばれるが、上顎洞にも波及するため、正確には鼻副鼻腔炎と呼ばれます。
- 急性上気道炎・急性咽頭炎はひとにうつりますか
- 風邪は飛沫感染、接触感染が主であるので、ひとにうつります。飛沫は直径0.005mm以上の微粒子です。くしゃみには4万個の飛沫、咳には3千個、5分間の会話には3千個の飛沫が飛ぶと言われています。しかし、飛沫は1mから最大でも2mしか飛びません。そのため、感染者から2m以上の距離を保てば感染するりすくは低くなります。また感染者が不織布のマスクをつければ飛沫を防ぐことができます。
接触感染には手洗いが重要です。
- 自分で治せませんか、休診の時はどうしていたらよいですか。
- 風邪はウィルス性感染症なので、基本的には自分の免疫でウィルスを排除して治癒していきます。長くとも約10日間から2週間で治癒します。体を休めることが重要なので、自宅で水分摂取を十分に行い、休息してください。
- 市販薬を選ぶ際の注意は
- 風邪に対しては基本的には抗生剤投与は不必要で、解熱剤、鎮咳薬、去痰剤、鼻水を緩和する抗ヒスタミン薬、漢方薬等を処方します。市販薬でも十分なこともありますが、市販薬での注意点は様々な効能を有する薬が複合されている点で、不必要な薬が配合されている可能性があります。
市販の感冒薬は眠気がでる成分が配合されていることもあり、注意が必要です。
- 放置している危険性(引き起こされる大きな病気)
- 風邪と思っていても咳が長く続く場合には肺炎、発熱が続く場合は脳炎、髄膜炎、腎盂腎炎、敗血症、感染性心内膜炎やその他、重症感染症である可能性があります。患者さんのご年齢や基礎疾患によるものもありますが、注意が必要です。
その他、風邪だと思っていた咽頭痛が怖い咽頭痛が紛れ込んでくることもあります。感染症疾患としては、急性喉頭蓋炎、深頸部膿瘍、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍、Lemierre症候群、Ludwigアンギナ(咽頭痛の地雷疾患:Killer sore throat 死に至る可能性ががある咽頭痛と呼ばれる)があります。非感染性疾患としては急性心筋梗塞、頸動脈乖離、椎骨動脈乖離、クモ膜下出血等の可能性あります。
- 悪化させてしまう行動は何ですか
- 十分に休息をとれなかったり、無理をしてしまった場合に免疫低下により症状が悪化する場合があります。
基本的に基礎疾患のない、普段健康な方は2-3日で感冒の場合は症状がよくなることがほとんどです。それでも症状が持続する場合は医療機関の受診が必要です。
学生さんやお仕事が学校の先生、医療等で人にかかわることが多い場合は、コロナ感染症、インフルエンザ等の感染力が高い疾患の場合があるので、周囲の方への感染拡大防止のためにも、医療機関で検査をお勧めします。
- 蒲田駅前内科では何をしてくれますか
- まずは、感冒症状に関してしっかりと診察していただき、症状に対する効果の高い薬を選択、処方致します。コロナ感染、インフルエンザ、溶連菌感染等の検査が必要と判断した場合は、検査がご希望の時には迅速に検査致します。
感冒以外の疾患が考えられた場合は、CT検査、血液検査等を追加して、背景に風邪ではない、怖い病気が潜んでいないか、詳しく調べます。
処方して経過を見ていただく際にも、毎日診療していますので、調子がおかしい時にはいつでも再診いたします。
その際に、必要があれば、大学病院、総合病院に相談、紹介も検討いたします。